日本国内で112番/911番に掛けた時と、デュアルSIM端末の挙動

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緊急通報番号として、ヨーロッパ圏を中心とする諸外国では112が割り当てられています。
そのため、日本国内で発売されている端末でも、デフォルトで緊急通報番号として112を指定されている端末が多数あります。したがって、ロック画面から112に架電することが原則としてすべての端末で可能となっています。

しかし、緊急通報番号としての112の挙動はキャリアによって大きく異なることがわかりました。この挙動はデュアルSIM端末での動作にも影響します。

ローミング中の挙動に関してはこの記事を参照してください。
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携帯キャリアごとの挙動

ローミングしていても、緊急通報は現地(滞在国)のネットワークに接続されます。従って、ローミング先によってこの挙動が変化することになります。

実網で110,118,119番に架電してのテストは絶対に行わないでください。緊急通報受理機関の業務に支障をきたす恐れがあります。
誤って接続してしまった場合はそのまま放置せず、誤って架電してしまったことを正直に伝えてください。警察や消防が確認のために出動する場合があります。
いずれのキャリアでも、緊急通報番号を直接ダイヤル(110,118,119)することで緊急通報受理機関に接続することはできます。また、次の挙動は911に発信した場合も同様となります。なお、コールバック方式の契約では緊急通報を行えない場合があります。

NTTドコモ

3キャリアの中では、最も模範的なシステムといえます。

2018年6月20日現在、NTTドコモのネットワークで同様の操作をすると基地局から切断されるため、112番及び911番をダイヤルしての緊急通報はできなくなったようです。

NTTドコモのネットワークに接続中、112及び911に発信すると次のトーキーが流れました。

This is the emergency call service. Press 1 for the police. 2 for fire station or ambulances, and 3 for Japan coast guards.
緊急呼接続ダイヤルです。警察へ接続する場合は1を、消防・救急へ接続する場合は2を、海上保安庁に接続する場合は3をダイヤルしてください。

英語のアナウンスに続き、日本語でアナウンスが流れます。ここで、当該の番号をダイヤルすると、指定した機関に接続されるものと思われます。ダイヤル後、指定することでその端末のまま緊急通報受理機関に接続できるため、もっとも分かりやすく使いやすい仕組みです。

ソフトバンク

NTTドコモほどではないが、ひとまず案内があるシステムであります。
ソフトバンクのネットワークに接続中、112及び911に発信すると次のトーキーが流れます。

This is SoftBank. The emergency number you have dialed cannot be completed from your mobile now. Please retry at the nearby payphone. To connect to the police, dial 110. The fire department, dial 119. For emergency at sea, dial 118.

英語のアナウンスのみです。日本語訳は、次のようになります。

こちらはソフトバンクです。おかけになった緊急通報番号は、携帯電話からはご利用になれません。お近くの公衆電話よりおかけ直し下さい。警察は110、消防は119、海の事故は118にダイヤルしてください。

直接接続することはできないものの、公衆電話の利用と緊急通報番号のアナウンスが流れるようになっています。

シンプルスタイルを使用している場合、電話番号が有効であれば、残高が0円であっても緊急通報を行うことはできます。

KDDI

3キャリアの中では最も不親切な仕様です。KDDIのネットワークに接続中に112及び911に発信しても、アナウンスが流れることはなく、すぐに切電されてしまいます。

デュアルSIM端末で緊急通報を行った場合

デュアルSIM端末で緊急通報を行う場合の挙動は特殊です。デュアルSIM端末の場合、2種類の異なるネットワークに接続しているため、それを活かしてできる限り緊急通報受理機関に接続しようとする仕組みになっています。

緊急通報後、発信者を確認するために電話越しもしくは現場にて電話番号を尋ねられる・確認される場合がありますので、自分がどの電話番号から発信しているかを把握しておきましょう。

原則

原則として、スロット1のSIMカードからの発信になります。発信に使用するSIMカードを選択することはできません
SIM1とSIM2のボタンが表示される機種であっても、緊急呼の際は無視されます。

スロット1が使えない場合

データ専用SIM、SMS付きSIM、もしくはKDDIのネットワークに接続していることで緊急呼が切断された場合は、自動的にスロット2のSIMカードに切り替え発信する仕組みになっています。
ただし、スロット1のSIMカードでソフトバンクのネットワークに接続している場合は、接続自体はなされ、トーキーが流れますので自動的に切り替わることはありません。

デュアルSIM端末での組み合わせ例

次の表は、112もしくは911に発信した際のSIMカードの組み合わせによる対応と挙動を示したものです。

2018年6月20日時点で、ドコモ網での112もしくは911を使用した緊急通報は使用できなくなりました。
↓Slot1/Slot2→ KDDI docomo SoftBank Data Only
KDDI1)緊急通報番号を直接ダイヤルした場合は、KDDIのネットワークから発信できます 通常のみ 禿 通常のみ
docomo
SoftBank 禿 禿 禿 禿
Data Only 通常のみ 禿 不可

通常のみ……112/911に対して発信しても切電されますが、緊急通報番号を直接ダイヤルすることで接続できます。
茸……ドコモのトーキー(選択後、緊急通報受理機関にそのまま接続)に接続されます。
禿……ソフトバンクのトーキーに接続されます。
不可……緊急通報は行えません。
Data Only……データ専用SIMカード/SMS付きSIMカードのような、通話ができないSIMカードを示します。

ローミング先の1つが使用できない場合

複数の事業者にローミングにより接続可能な状況下で、そのローミング先の1つで緊急通報が使用できなくなった場合の動作に関して記載します。
基本的には、現在接続中の事業者経由で発信されます。しかし、その事業者経由で発信できない場合は、次のような挙動で発信されます。
2018年6月20日付近の変更で、ドコモ網から112番及び911番への発信ができなくなりました。この場合、ローミング中などの理由により複数の事業者に接続できる場合は、他の事業者を自動的に検索し、その事業者経由で発信を行うようになっています。

今回の場合、ドコモ網で緊急通報に失敗したため、ソフトバンク網に改めてアタッチし発信が行われています。

普段接続している事業者と異なる事業者に接続して緊急通報が行われている場合、端末の画面表示は圏外(もしくは緊急通報のみ)となります。圏外表示であっても、緊急通報受理機関に接続されている場合はそのまま通話が行えます。
緊急通報受理機関との通話が終了してしばらくすると、自動的に元の事業者の回線に接続し直します。

KDDIは外国人に対して不親切……と考えらえる理由

KDDIのネットワークでは、112及び911に発信しても何のアナウンスもなく切られてしまいます。外国人にとっては不親切な仕様です。祖国の緊急通報番号にかけても無言で切れてしまいますので、緊急時には困るかと思います。
しかし、KDDIの場合は他の2キャリアと異なる事情があり、具体的にいうとKDDIにインバウンドローミングする人は少数派であるということです。

KDDIは歴史的経緯から他の2キャリアと異なり、3Gの通信方式としてCDMA2000を使用していますので、世界的に広く使われているW-CDMAの3Gローミングを受け入れられません。
そのため、多くの訪日外国人はdocomoもしくはSoftBankのネットワークにローミングします。
少数派であるKDDIではこのような対応を行う必要がほとんどなく、結果として行われていない、もしくは遅れていると考えられます。

追記:コールバック方式のSIMの場合…

旅行者向けSIMカードの場合、通話方式がコールバックである場合があります。この場合、一度発信すると切断され、相手基地局側からの呼び返しに応答することで通話の接続が開始されるものです。
通常の発信はコールバックを行う仕組みとなっていますが、緊急通報の場合に限りダイレクト発信2)呼び返しは行われず、通常通り直接発信される仕様となる仕組みとなっています。
接続後の挙動はローミング先のネットワークに準拠します。

SIMカードが抜かれているかロックされている場合

SIMカードがささってない、もしくはPINロックされている状態で有効なSIMカードがない場合、日本国内では緊急通報を行うことはできません。

References   [ + ]

1. 緊急通報番号を直接ダイヤルした場合は、KDDIのネットワークから発信できます
2. 呼び返しは行われず、通常通り直接発信される仕様