サーマルスロットリング特有の症状について

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今使っているマシンがサーマルスロットリングがバリバリ機能している状態で、精神衛生上よくない状態だったりします…。

コンピューターは、あまりにも高温となると正常に動作しなくなる恐れがあります。特にCPUやGPUに関しては大きな発熱源です。
では高温になるとどうなるかといいますと、それが原因で直ちにパソコンやスマホが燃えることは基本的にありません。基本的に、というのは古いCPUでは燃えるものもあったようです。

部品が燃えたり壊れたりする前に自己防衛する機能がCPUやGPUには備わっています。これが「サーマルスロットリング」です。

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症状

あまりにも高温になると、CPUやGPUが壊れたり燃えたりする恐れがあります。そうならないようにするため、CPUやGPUはある一定の温度に達するとサボり始めます。
具体的には、クロックが下がります。処理性能が下がるため、当然のことながらパソコンが重くなります。
(サーマルスロットリングにおいても冷やしきれない場合は、コンピューターの電源は切れます。これは通常のシャットダウンとは異なり、突然電源が落ちます)

サーマルスロットリングが原因となってパソコンが重くなる場合においては特有の症状が現れます。次のグラフを見てください。これは、タスクマネージャーにおいて確認したサーマルスロットリングが発生しているとあるパソコンのCPU使用率グラフです。

サーマルスロットリングが発生した場合は「コンピューターが周期的に重くなる」現象が発生します。ずっと重いのではなく、数秒おきに異常に反応が鈍くなり、数秒経つと元に戻ることを繰り返す現象が発生します。

高負荷時にタスクマネージャーを開いたとき、このようなCPU使用率のアップダウンを数秒おきに繰り返している様子を視認できる場合は、非常に高い確率でサーマルスロットリングが原因となります。

なぜ、このような症状が発生するのか?

数秒おきに重くなる現象は、サーマルスロットリング特有の現象です。
次のグラフを見てください。これは、CPU使用率、温度、クロック周波数を1つのグラフにまとめて表記したユーティリティ(Intel Extreme tuning utility)の画像です。
右側にThermal ThrottingがYesと表示されています。サーマルスロットリングが効いてマシンの動作が重くなっている状態です。

グラフ部分を拡大します。
5つのメトリックを表示しています。Package TemperatureはCPUの温度です。このCPUは105℃まで耐えられますが(Tjunction)、既に上限に達しています。
Max Core FrequencyはCPUの動作周波数です。便宜上、高い側のCPUコアの動作周波数を描画しています。Core Voltageは参考程度に描画した、CPUの動作電圧です。
Core 0/1 UtilizationはCPU使用率です。

グラフを見るとわかる通り、CPUの温度が上限に達すると動作周波数がガクッと下がります。最大でこのCPUは2.86GHzに到達しますが、サーマルスロットリングが発生すると0.50GHzまで下がります。
CPUクロックがガクッと下がった瞬間、パソコンが急激に重くなります。同時に、クロックが下がったことでCPUの温度も下がります。なお、クロックが下がると同時に動作電圧も下がることを視認できると思います。
パソコンをゲーム用途に使用している場合は、サーマルスロットリングが効いた瞬間にフレームレートが異常に低い値を示します。例えば60fps出ていた環境でも、サーマルスロットリングが発生すると一時的に1~3fpsのような異常に低いフレームレートまで下がります。

CPUクロックが下がったことで、温度も下がり、また元のクロックで動けるようにはなります。しかし、数秒後には当然熱くなりますのでまたCPUの温度は上限に達し、クロックが下がります。
これが、サーマルスロットリングによりパソコンが周期的に重くなる原因です。

掃除するか、設計を見直しましょう

サーマルスロットリングが発生している時点で冷却に問題があります(オーバーヒートしています)。掃除するか、自作PCであれば設計を見直してください。
なお、筆者のマシンはそもそもメーカー側での設計段階で冷却設計が貧弱でこうなっているようです。それもそう、薄型小型の筐体にCPUとdGPUが詰め込まれて同時に稼働しているからです。当然、サーマルスロットリングが原因でプレイしている幻想神域(注:オンラインゲーム)も数秒おきに重くなります。
iGPUを使えばCPUのみの稼働になるため発熱は抑えられるのですが、せっかくのdGPUが使えません。困ったものです。