ビットコインの暴落で、鉄屑が大量発生するのはなぜ?

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いつの間にかビットコインの価格が40万円を切るレベルまで到達していました。全盛期の5分の1まで落ちています。
さて、当然ここまで落ちるとマイニングで稼いでいる人の採算がきつくなってきます。したがって、マイニングをやめてしまいます。

ですが、ここで大量のマイニング機器が廃棄されているという話が出てきます。

新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区のマイニング企業は大損害をだし、プラントのたたき売りを開始した。1年前に2万元で購入されたプラントが現在、最高値でも1千元で売却されているか、単に屑鉄として廃棄されている。

ビットコイン大暴落 中国のマイニング業者がプラントをたたき売り – Sputnik 日本

なぜ廃棄されるのでしょうか?

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ASICに関して

ビットコインのマイニングに関する話をするのに、ASICの話は抜けないかと思います。ASICは、正式名称でApplication Specific Integrated Circuitといいます。
Application Specific(特定用途)なIntegrated Circuit(集積回路)という意味です。

メリットとしては、特定の用途に特化した回路をハードウェア的に構成するため、回路の集積度を高める、消費電力を減らす、高速化する、低コスト化するといったことができるようになります。
一方で、プログラムの変更が一切できないというデメリットを抱えます。プログラムを変更したい場合はASICを造り直す必要があります。

ビットコインのマイニングは現状ASICでなければ採算が合わないため、ほとんどのケースでASICが使われているのが現状です。もっとも、今回はそのASICを使用していても採算を割るレベルでの暴落が発生しているわけですが。

ASICは他の用途に転用できない

プログラムがハードウェア上の回路で構成されており、一切変更できないASICは他の用途に転用できません。
ビットコインのマイニング専用に作ったASICは、ビットコインのマイニングにしか利用できないのです。

したがって、用済みとなった装置は屑鉄にするほかありません。

一般的なパソコンで使われているCPUは、プログラムをソフトウェアで構成しているためいくらでも応用ができます。性能によって限界はありますが、CPUを取り替えなくてもネットを見る、ゲームをする、音楽を聴く、動画を見ることができます。
ASICではそれができません。そもそも物理的な構造が違うからです。極限まで特定の処理の効率化を追求した結果の構造だからです。

GPUは他の用途に転用できる

ASIC耐性がある仮想通貨をマイニングしている場合、GPUを利用しているケースがあります。これに関しては、マイニング部分に関してはソフトウェアでプログラムを構成しているため、万一採算を割ったとしてもGPUは他の用途に転用できます。

例えば、マイニングの用が済んだGPUをオンラインゲームに転用することもできます。

ちょっと宣伝。かわいい系のグラフィックな台湾発のオンラインゲームとして幻想神域(https://genshin.x-legend.co.jp/)というものがあります。基本無料型なので、騙されたと思って一度やってみてください。現行のCPUであれば内蔵グラフィックスで動作するなど、そこまで高いスペックのマシンは求められないのでハードルも高くありません。

ASICは鉄屑になり得る

ASICは、低コストかつ低電力で、極限まで高いパフォーマンスを発揮するものです。その代償として、プログラムの変更が一切できません
用が済んでしまった場合、ASICでは回路に全く柔軟性がないため廃棄するほかなくなってしまうのです。例えるならば、一切回路変更のできないENIACでしょうか。

ビットコインのマイニングに特化したASICは、ビットコインのマイニング以外には使えませんのでその目的で必要なくなれば売却することも困難です。わざわざ役に立たないものを買う人はまずいません。
ASIC耐性がない仮想通貨の場合、このように鉄屑を大量に発生させてしまう点については留意が必要です。